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休業損害について

休業損害とは事故による受傷により休業しまたは十分な就労ができなくなったために治癒又は症状固定の時期までに現実に得ることができたであろう収入が得られなかったことによる損害をいいます。休業損害には、支給されるはずであった給与だけでなく、賞与の減額、諸手当および昇給も含まれます。休業損害は事故から治療終了、症状固定までの期間に限り認められており、それ以後については後遺障害逸失利益の問題となります。

なお、自賠責保険では原則として休業1日あたり5700円の休業損害が支払われることになっており、定額化されています。5700円以上の減収があることが立証された場合には例外的に日額1万9000円を上限として実損害が支払われることになっています。


休業損害の計算方法

通常の休業損害の計算方法は、過去3か月分の給料を90で割って日額を出し、それを実際に休業した日数かけるといった計算方法をします。しかし、家事従業者等の日額や休業日数を算出しにくいものは、賃金センサス等で日額を割り出し、そして、症状固定期間までの就労制限率を通院や症状によって推定して、これをかけて計算する方法もあります。どちらの計算方法を採用するかは、怪我の状況によって適切な方を採用することになります。

給与所得者

給与所得者の場合、上記のように、事故前3か月の平均賃金を基礎に休業損害を算出します。有給休暇を使用した場合には計算上収入源が生じてなくてもその期間を休業期間

として扱うことが認められています。賞与や諸手当の不支給、休業による降格等による減収も損害に含まれます。所得税や住民税については控除して計算するか否か争いはありますが、実務上は控除せずに計算します。

事業所得者

個人事業者や自営業者等の事業所得者の場合、原則として事故前年の所得税確定申告書によって所得額を認定し、実治療日数を指標として休業日数を認定します。また、休業中の家賃、従業員給料などの支出の内事業の維持継続のために必要やむを得ないものは損害として認められます。確定申告書が用意できないような場合には賃金センサスによって算出することになります。

会社役員

会社役員の報酬は全額が休業損害算定の基礎とはならず、労働の対価としての部分と利益配当としての部分に分けられ、労働の対価としての部分のみ休業損害算定の基礎になります。実務上は、会社の規模、業務内容、営業形態、役員の実際の職務内容、他の役員の職務内容や報酬額等を参考に労務対価部分の割合を算出しています。

家事従事者

家事従業者が休業した場合には、怪我により家事に従事することができなかった期間につき、賃金センサスを基礎として損害額を算出します。休業日数については、入院日数や通院頻度、怪我の程度を参考に、就労制限率や休業日数を算出します。

家事従業者とは年齢及び性別にかかわらず家事を専業にしている者をいいますが、1人で生活している単身者、家事の手伝いをする程度の者は家事従業者には含まれません。

パートタイマー等の兼業主婦の場合にはその収入と賃金センサスの高い方を算定基礎とします。

無職者

失業者

失業者の場合には原則として休業損害は認められません。しかし、具体的な就職の予定がある場合や労働能力や労働意欲に加え就労の蓋然性がある場合には休業損害が認められます。

学生、生徒、幼児等

学生、生徒、幼児等にも原則として休業損害が認められませんがアルバイト等による収入がある場合には休業日数に応じて休業損害が認められます。また怪我により就職時期の遅延が生じた場合には休業損害が認められる可能性があります。


休業損害の立証方法

給与所得者

就業先が作成した休業損害証明書によって休業損害を証明するのが一般的です。休業損害証明書は任意保険会社から交付された書式に従って記入することが多いです。またこれに加えて源泉徴収票も添付することもあります。

事業得所得者

事故前年度の確定申告書により立証することが一般的です。また、農政証明書や課税証明書を添付する場合もあります。事業始めたばかり等で、確定申告が用意できない場合には、実収入の分かる資料を提出します。

会社役員

事故前年度の源泉徴収票や確定申告書を提出することが一般的です。役員報酬のうち労務対価部分を立証するために法人事業概況説明書等を提出することもあります。

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